表題の通り。


変位エルドラージ 2枚

作り変えるもの 4枚


トレードとか銀行券とか。

EDHルール改訂

2016年1月19日 TCG全般
らしいですね。

関係者は調べてみると良いです。


1.禁止推奨カード
 まぁ、壊れなので仕方ないかと。

2.マリガンルール変更
 コンボ偏重環境から、クリーチャー戦環境に移行する可能性がありますね。
 デッキは金太郎あめになる程安定して強くなると想定。
 そういう意味では「出産の殻」的なカードはとても強くなるかと。

3.マナ出しルール変更
 有色マナが勝手に無色マナにならないように配慮。
 ま、無色マナの形骸化を避ける意味で必要な措置かと。
表題の件。


BFZ フェリダーの君主 (プレリリースプロモ)


お持ちの方、至急ご連絡くださいませ。
今年の目標。


下記カードのFoilを探しています。
お手持ちにありましたら、ぜひトレードをお願いします。

【PCY 輝くオオヤマネコ】

【INV 鎧を着た守護者】

【JUD 幻影のニショーバ】

(ONS 獅子面のタイタン、ジャレス)

(8th サバンナライオン)

!【MRD 空狩人の若人】
【MRD タージナールの剣鍛冶】

(DST レオニンのシカール)

【5DN 黄金の若人、ラクシャ】
【5DN うろつく空狩人】

【9th レオニンの空狩人】

【DIS 雲の群れ】

!【TSP ジェイテッドの竜騎兵】

【10th うろつく空狩人】

(ARB クァーサルの群れ魔道士)

!【M10 銀毛のライオン】

【ZEN フェリダーの君主】

(WWK 壌土のライオン)

(コンスピ 群れの護衛)
(コンスピ アジャニの陽光弾手)

(MM2015 タージナールの剣鍛冶)

BFZ フェリダーの君主:プレリリースプロモ


「マリーシの双子爪」「クァーサルの群れ魔道士」「壌土のライオン」以外の「白い猫・クリーチャー」Foilプロモカード

以上、よろしくお願いします!!!
来年もよろしくおねがいします。


・村クエスト
 高難度:異常震域
 高難度:赤の猛攻!
 高難度:炎王の帰還
 高難度:強者たちの饗宴
 高難度:非情に波状な状態異常
 高難度:天と地の怒り
 高難度:最後の招待状
 高難度:終焉を喰らう者

・集会所☆7
 奇奇怪怪のハードピーク
 勇猛果敢なブレイブタスク
 震天動地なグランドウイング
 縦横無尽なフィレックスフィン
 モンスターニャンター

・狩猟許可クエスト
 12種類×10レベル=120個
HR58でした。

村クエ:☆6の4頭クエ&高難度のみ

集会所:☆2までクリア、☆3残り10個くらい
得たもの

・長距離運転の経験

・久しぶりの同窓会

・Edgar Plains(NM-) 1枚

・Mox Pearl (β:GD) 1枚


失ったもの

・お金

・体調


等価交換、かなぁ……。

GP神戸

2015年11月18日 TCG全般
明日、車で移動開始します。

ジャッジ稼働は金、土、日。

会場で俺と握手!
【番外】白単の選択【基本土地編】
【番外】白単の選択【基本土地編】
【番外】白単の選択【基本土地編】
・まず最初に
 こちらはジョーク記事です。内容には期待しないように。

・白単における基本土地
 マジックには5種類の基本土地がありますが、白単を選択するに当たり多くの方は『平地』を選択することになると思います。それは一部例外的なカードを除き、他の基本土地から出る色マナを有効活用することが難しいからです。
 一時期のスタンダードにおいてはエンチャント(山)なるカードが存在したため、白単に山が投入される場面もありましたが、これは例外といって良いでしょう。

・平地の選択
 マジックの長い歴史の中で、平地は非常に多くのバリエーションが印刷されてきました。その中でどの平地を使用するかでそのプレイヤーの人となりを知ることができたり、プレイヤーの思い入れを知ることができる可能性があります。
 多くの場合そういった情報は相手を利するだけなのですが、デッキ内の土地を1種類の絵柄にしておくことで手札破壊デッキに与える情報を減らすなどの効果が得られる場合もあります。

・使用されている平地と最近発見された機能障害について
 平地であれば何でも白マナが出ると思われがちですが、フォーマットが古くなるにしたがって一部の平地では機能障害が発生することが報告されています。障害の原因としては、対戦相手のデッキとの価格差が仮説として立てられており、対策として対戦相手のデッキの価格に近いデッキ構成にすることがわかっています。
 障害の内容としては、初手に来ない、初手に大量に発生する、ゲーム開始後に引き込めない、ゲーム開始後に平地しかひかない、サーチ中に見つからない、フェッチから出てこない、ゲーム中に突然白マナが出なくなるなどです。
 こういった現象の発生頻度をそれぞれの平地のカード群にわけて解説していきます。

1.最新セットの平地
 最新セットの平地は最も手に入りやすくコモンな存在です。そのため多くのリミテッドデッキやリーグ戦、スタンダードのデッキで使用されています。しかし、その入手難易度の低さや使用者のモラルの低さからモダン以降のフォーマットにおいて障害が発生する可能性が示唆されています。

2.最新/過去セットの平地(絵柄揃え:Foil揃え)
 過去のセットからプレイヤーが好みの土地を揃えて使用することは多いと思います。この場合、重要となるのはその土地に対しての思い入れであり、何となく揃えているだけでは機能障害に対する対抗策にはなりえません。
 多くの場合モダン環境程度までは影響が出にくいとされていますが、レガシー以前のフォーマットで使うのであればもっと慎重なカード選びが必要となるでしょう。

3.フルアートの平地(ZEN、BFZの絵柄添え)
 戦乱のゼンディガー発売により入手難易度が格段に下がった基本土地です。そのため、多くのにわかプレイヤーが使用するようになり、各プレイヤーのこだわりが見えにくいカード群となっています。現在ではモダン環境においても使用することを控えた方がよいと考えられます。

4.フルアートの平地(アンヒンジド、アングルード)
 こちらはフルアートとはいえ形状が全く異なるカードであるため、使用者のこだわりが感じ取れる良いカード選択となります。とはいえ、入手難易度の低さからこのカードを選択するプレイヤーも多く、レガシー以前のフォーマットにおいて使用は避けるべきでしょう。

5.プロモカードの平地(絵柄揃え)
 アリーナランドを含む多くの平地が今までに印刷、配布されてきました。配布数の少なさから1996アリーナ、1999世界選手権、EUROペガサス、新ラヴニカプレリリースなどの土地を使用している場合は一目置かれる存在となります。
 上記の平地についてはレガシーにおいても使用に耐えうりますが、そうでないプロモ平地を使用するのはモダンまでにしておきましょう。

6.APACランドの平地
7.EUROランドの平地
 エリア限定ランドはその発行数が少ないこともあり、単色用に確保するにはそれなりの投資が必要になってくるでしょう。APAC万里の長城、EURO各種の平地はそのイラストの美しさから一定のファンが存在しています。
 機能障害に関する評価は上記プロモカードに近い結果が得られています。

8.APACランドの平地(ひまわり)
 APACランド(日本)は通称ひまわりと呼ばれ、国内外問わず人気の平地です。その入手難易度は高く、今から単色デッキ用に集めようとすると非常に苦労することでしょう。
 でも安心してください、このひまわりであればレガシー環境における機能障害の影響は少ないという研究結果が報告されています。

9.新グルランドの平地
 2014年に認定ジャッジにのみ報償として贈られた基本土地です。見た目はゼンディカー土地のFoilですが、イラストが明らかにそれとは異なっています。非常に自然な仕上がりのため対戦相手が気付かない場合も多く、その際にはゲーム上大きなアドバンテージを得ることができます。
 このレベルのカードからはヴィンテージ環境においても十分に使用に耐えられることが最近の研究でわかっています。また、ヴィンテージFoilerにおいて選択する基本土地はこれが主になると考えられています。

10.グルランドの平地
 こちらは1997~2001にジャッジ報償として贈られた基本土地です。現存数も少なく、多くのコレクターが手放さないため、市場では高額で取引されているカードです。Terese Nielsenの太陽ランドが盤面を制圧する時、対戦相手には畏怖の感情を与える事ができることでしょう。
 このレベルのカードがレガシーで機能不全を起こさずにデッキを使うためには求められます。当然ですがヴィンテージ環境においても十分に問題なく機能します。

11.エドガーランドの平地
 こちらは1994年のリバイスド製造に際してテスト印刷されたものが工場から流出したカード(一般にはエラーカードの一種)です。ブルーハリケーンといえばご存知の方も多いのではないのでしょうか。
 左下の権利表記が(c)1994から始まっているため判別は容易です。しかし、一見しただけでは若干発色の良いリバイスドの平地にしか見えないため、発見が遅れると対戦相手にとって致命的な盤面にすることができるという特徴を持っています。
 マジックにおける最高峰の平地であり、ヴィンテージにおいてもパワー9デッキと十分に戦えるだけの能力を有していると報告されています。

12.禁断の平地『Wald』
 ドイツ語版初版の『森』です。問題はこのカードのイラストが平地になっているエラーカードであるということです。白緑デッキにおいてドイツ語版の基本土地を並べる中にこれを紛れ込ませると、対戦相手は何が何マナ出るのか判別することが困難になります。
 イラストが平地とはいえ、当然ですが森なので緑マナが出ます。白単デッキに入れて使用するのは構いませんが白マナを供給する能力はありません。全部の基本土地をWaldにしてしまうと重大な機能障害が発生することでしょう。


 あなたのデッキに入っている基本地形はどうでしょうか。機能不全については平地に限らず他の基本土地でも報告を受けています。この機会に基本土地についてもデッキ構築の一部として考え、使用するものを選定することをお勧めします。

 なお繰り返しますが、これはジョーク記事です。この記事を真に受けた結果発生する費用や問題、損害については保証いたしかねますのでご了承ください。
 先のエントリーにてヴィンテージ白単のコンセプトと採用カードについて説明しました。今回で最終回、これらのカードのインアウトについて考えてみましょう。
<メインデッキ>
4 スレイベンの守護者、サリア
4 レオニンの裁き人
4 レオニンの遺物囲い
3 石鍛冶の神秘家
3 戦争の報い、禍汰奇
3 封じ込める僧侶
3 迷宮の霊魂

3 剣を鍬に
1 虚空の杯
4 墓掘りの檻
1 梅澤の十手
1 火と氷の剣

4 Elvish Sprit Guide
4 不毛の大地
4 幽霊街
1 露天鉱床
2 魂の洞窟
1 Karakas
11 平地

<サイドボード>
3 流刑への道
3 石のような静寂
3 安らかなる眠り
2 金輪際
2 仕組まれた爆薬
2 エーテル宣誓会の法学者

・茶単
In
 3 流刑への道
 3 石のような静寂
Out
 3 石鍛冶の神秘家
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣
 1 迷宮の霊魂 or 虚空の杯

 基本的な仮想敵。相手のフィニッシャーを潰すクリーチャー除去とアーティファクトの動きを止めるカードを追加します。
 サイドアウトは石鍛冶パッケージ。後手番の際は効果の薄い杯をサイドアウトします。

・ジェスカイコントロール
・秘密を掘り下げる者
・メンター
In
 3 流刑への道
 2 金輪際
 2 仕組まれた爆薬
 2 エーテル宣誓会の法学者
Out
 3 封じ込める僧侶
 4 墓掘りの檻
 2 レオニンの遺物囲い

 全体火力が怖いため、クリーチャー展開はある程度の数に押えつつ盤面を制圧していきます。対戦相手のパイロマンサー、メンターは出た返しに必ず除去をするように。とはいえ、石鍛冶パッケージが機能した場合はゲームが一方的になることもあります。
 サイドアウトは効果がない檻と効果の薄いクリーチャー群です。

・発掘
In
 3 安らかなる眠り
 2 仕組まれた爆薬
Out
 3 石鍛冶の神秘家
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣

 不正なクリーチャー召喚は多くの手段で止められますが、黄泉からの橋で登場するトークンへの対応力を増しておく必要があるため爆薬を投下します。
 抜くのは直接の影響力がない石鍛冶パッケージです。

・オース
In
 3 流刑への道
 2 金輪際
 2 エーテル宣誓会の法学者
Out
 3 石鍛冶の神秘家
 1 レオニンの遺物囲い
 1 虚空の杯
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣

 不正なクリーチャー召喚の原動力である『ドルイドの誓い』に対する完全包囲網です。また、万が一クリーチャーが発生してしまったときに備え、単体クリーチャー除去を積み増します。
 サイドアウトは石鍛冶パッケージと、効きにくい杯などです。

・ストーム
In
 3 安らかなる眠り
 2 金輪際
 2 エーテル宣誓会の法学者
 2 仕組まれた爆薬
Out
 3 石鍛冶の神秘家
 3 封じ込める僧侶
 1 レオニンの遺物囲い
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣

 1ターンに多くの呪文を唱えることで勝つストームは、その動きを阻害するクリーチャーと墓地の再利用を阻害するカードによって目論見を潰すことができます。中途半端なストーム数から出てくるゴブリントークンは爆薬で飛ばしてしまいましょう。
 サイドアウトはやっぱり石鍛冶。封じ込める僧侶は対象がないので抜いてしまいます。


 デッキパターンも多くないため非常に淡白な解説になってしまいましたがいかがでしょうか。結局のところ、対戦相手の勝ち筋を潰し自分の土俵に持ち込むまでには最低でも数ターンは必要で、その時間を稼ぐことができるかどうか、相手の手札が恵まれていないことに賭けて動くしかないというのが本音です。

 さて、これにてモダン、レガシー、ヴィンテージにおける白単の解説は終わりになります。スタンダードにおいても白単デッキは一部プレイヤーが成績を残しているようですので探してみると面白いと思います。


 番外編として、次のエントリーでは全ての基本である『平地』について考察します。
 前回のエントリーでは固定化していた環境が徐々に氷解しつつあるヴィンテージについて説明しました。それでは、現状のデッキ分布からどのような白単によるアプローチが考えられるかを検証して、それを基にデッキを構築してみましょう。

・環境の特徴と対策
1.先手絶対有利の世界
 サイコロに勝たねば人権が無い世界。これがヴィンテージです。基本的には五分五分のサイコロ運について特に解説するつもりはありません。重要なのは先手を取った時に確実にゲームをモノにできるデッキ構成であり、後手になった時、相手の事故に乗じて泥沼に持ち込める能力があるかどうかです。

 白単では後手から対応するためのカードは存在しません。相手の1キルハンドは諦めるべきです。重要なのは相手が1キルをしくじった際、こちらが相手の目論見を潰し、自分の土俵に持ち込めるようなカードを選択しておくことです。

2.大量のアーティファクト、アーティファクトマナ
 Moxen、Lotusからスタートするヴィンテージのデッキ構築では、これらのカードに一部依存したデッキ構成となります。逆にこれらのカードへの対策を早期のターンに行うことができればデッキの展開速度を遅くすることが可能です。

 白にはアーティファクトを咎めるカードが多数ありますので、メインから多くのカードを採用することで盤面の逆転を狙うことも可能になってきます。

3.青の大量ドロー、TimeWalk
 どんなデッキにも基本的に青のドロー強化カードが含まれます。そのためドロー阻害効果や呪文を唱える回数制限などを加えることで展開力を削ぐことが可能となります。白にはその両方のカードがあるため、それらをメインから加えて対応していきます。

4.クリーチャー全否定デッキの台頭
 ドルイドの誓いデッキは、対戦相手がクリーチャーを展開することでそれを逆手にとってグリセルブランド等の強力クリーチャーを不正召喚する構造を取っています。逆に言えば、クリーチャーが展開されない限り、相手は何もクリーチャーを召喚することもできません。

 このような構成のデッキがメタ上に一定以上存在する限り、クリーチャーデッキである白単はメインから対策カードを積み増す必要性があるといえます。

5.排除困難なトークン生成クリーチャー
 パイロマンサー、メンターなど、一度戦場に出てしまうと呪文を唱えるごとにクリーチャーが増殖していく厄介なクリーチャー群がヴィンテージではメジャーなクリーチャーデッキとなりつつあります。

 これはヴィンテージにおける除去が単体除去であること、全体除去が唱えられるマナ域までゲームが進まないこと、1枚を護るだけで盤面を制圧できてしまうことなどが理由として挙げられます。

 白単はクリーチャーデッキですから、リソースを使わずに増え続けるクリーチャーと正面からぶつかっては勝ち目がありません。このようなクリーチャーには専用の対応方法を準備しておく必要があると言えます。


 上記を踏まえて出来上がったデッキがこちらです。
<メインデッキ>
4 スレイベンの守護者、サリア
4 レオニンの裁き人
4 レオニンの遺物囲い
3 石鍛冶の神秘家
3 戦争の報い、禍汰奇
3 封じ込める僧侶
3 迷宮の霊魂

3 剣を鍬に
1 虚空の杯
4 墓掘りの檻
1 梅澤の十手
1 火と氷の剣

4 Elvish Sprit Guide
4 不毛の大地
4 幽霊街
1 露天鉱床
2 魂の洞窟
1 Karakas
11 平地

<サイドボード>
3 流刑への道
3 石のような静寂
3 安らかなる眠り
2 金輪際
2 仕組まれた爆薬
2 エーテル宣誓会の法学者

 何となくモダンとレガシーの白単を足して2で割ったような構成ですが、ところどころにヴィンテージ特有の歪んだカード選択が見て取れると思われます。
 虚空の杯が制限になる前はMUDが大半を占め、メンター系のデッキが死滅していたのでメインには石鍛冶パッケージを取っていませんでした。しかし、MUDの衰退と増殖系クリーチャーデッキの増加を考え、先手を打ってクリーチャー対策を多めにメインから積むことにしました。
 以下、恒例のカード説明です。


・4 スレイベンの守護者、サリア
 レガシーにも増して、ヴィンテージではマナレシオが低く設定されている場合が多く、またMoxenなどのマナ加速を前提としている場合も多いためサリアが活躍する場面は多いと想定されます。
 対戦相手のデッキがわからない場合、とりあえず戦場に出すクリーチャーとしては適切だと思われます。

・4 レオニンの裁き人
 フェッチランドからデュアルランドをサーチするのは各環境とも同じです。それを阻害しつつ幽霊街や流刑への道とのコンボを構成することができるため、ヴィンテージにおいても基本戦術の1つとして採用されています。
 なお、幽霊街とのセットで土地破壊を奇襲で行う関係上、他のクリーチャーの方が戦場に出す優先順位が高くなる傾向があります。

・4 レオニンの遺物囲い
 ダブルシンボルと厳しいですが、一時的な解呪能力を備えたクリーチャーです。相手から飛び出すMoxenを喰い取りマナ不足としたり、杯や宝球を奪い取ってロックを解除したりする重要な役割を果たします。
 序盤の攻防で必要とされるため、戦場に出す優先順位は高めです。MUD相手には後述の禍汰奇を優先させ、相手の脅威に対応するために手元に残す場合もあります。

・3 石鍛冶の神秘家
 レガシーから解禁された石鍛冶パッケージです。本来であればアーティファクト対策に割きたいスロットではありますが、現状のメタ推移を考慮した時、このクリーチャーがメインに投入されている奇襲性が各種メンターデッキに効果があると考え投入されています。
 このカードは相手のデッキにあわせて投入タイミングが大きく変化します。メンターデッキであれば最速で召喚し十手を持ってくる、パイロマンサーであれば赤青剣を持ってくることになるでしょう。
 逆にコンボ系デッキの場合は手札で眠ったままゲームが終了する場合もあると思います。

・3 戦争の報い、禍汰奇
 対アーティファクト能力を持つクリーチャーです。アーティファクト全てにアップキープコストを要求するため、Moxenは自身をタップして維持することしかできず、Workshopから全展開したMUDは維持コストを支払えずにパーマネントが全滅することになります。
 このデッキでは檻と装備品以外にアーティファクトがないため出し得のクリーチャーとなります。MUDなら最速で、それ以外のデッキには他のカードの合間を縫って、オース相手には出さずにゲームを進めることになるでしょう。

・3 封じ込める僧侶
 対オース、リアニメイト専用クリーチャーとしてメイン投入されています。クリーチャーデッキを全否定するデッキ相手には、そのデッキのコンセプトを全否定するカードをメインから投入する以外に解決方法はありません。
 オース相手には速攻で出します。それ以外のデッキ相手には疑似速攻クリーチャーとしてターン終了時のマナから召喚するのが良いでしょう。

・3 迷宮の霊魂
 大量ドロー否定クリーチャー。環境内で跋扈している3ドローカードを咎め、パワー3という脅威を展開することができます。薬瓶などから戦場に出すわけではないので奇襲性はないですが、確実に相手の手札に無駄カードを抱えさせることができるようになります。
 優先度は、各種脅威に対抗して生存ができるようになった直後くらいでしょうか。盤面に干渉するカードを引きたい対戦相手より早く展開することが理想です。

・3 剣を鍬に
 レガシーから登場のクリーチャー除去です。ヴィンテージとはいえ多くのデッキではフィニッシャーとしてクリーチャーを採用しています。MUDの大型クリーチャーやのび太、メンター、パイロマンサーはこのカードで処理するしかありません。

・1 虚空の杯
 制限カード。こちらもその強力な能力の恩恵にあずかりX=0、もしくは1にて設置することになります。先手X=0で相手のMoxenとLotusがゴミなり、X=1にて多くのドローカードや打消し呪文がゴミになります。
 逆に、このデッキにおいてX=2で置かれた杯は最大の脅威となります。このデッキを構成するカードのほとんどが2マナであり、アーティファクトに直接干渉できるですら2マナに集中しているからです。
 その際には魂の洞窟経由でレオニンの遺物囲いを唱え、杯を吸い込んで対処してください。一度吸い込んだ杯は再登場したとしても蓄積カウンターがないのでX=0として扱われます。

・4 墓掘りの檻
 オース、発掘全否定カード。メインから投入しなければならないくらいにこれらのデッキは環境に存在し、一般的な対応方法がない状況です。モダンやレガシーではそういったデッキは排除されるように禁止カードが制定されますが、ヴィンテージでは手加減してくれません。
 当然ですが、相手のデッキがわかった瞬間に即着地させます。メインからアーティファクトの大量破壊を投入しているデッキではないので、引いたら複数枚貼って安全を確保していきます。このカードの強襲性により、上記2つのデッキに対する勝率を高めることができています。
 とりあえず、1ターン目にやるアクションがなければ着地させてしまいましょう。こちらに害はありません。

・1 梅澤の十手
 石鍛冶パッケージ定番の装備品。こちらはダメージを与えれば誘発するためメンターに対して効果的に作用します。

・1 火と氷の剣
 石鍛冶パッケージ定番の装備品その2。こちらはプロテクションの関係でパイロマンサー相手に効果的に作用します。

・4 Elvish Sprit Guide
 2緑の2/2クリーチャー。白単なのに緑クリーチャーです。重要なのは色でもスペックでもなく、起動型能力によって手札から捨てる事で緑マナを生みだすことができることです。
 このデッキにおいては呪文を唱えず(サリアに干渉せず)に手札からマナブーストできる貴重なカードで、先手後手ともに1ターン目に2マナを用意するために必須のカードとなります。このデッキの妨害手段のほとんどが2マナスタートであることを考えると、このカードの有無はデッキの勝敗を大きく支配します。
 使用方法は簡単で、2マナクリーチャー群を召喚するために手札から捨てるだけです。万が一最終盤にマナが伸びてから引きこんでしまった場合、魂の洞窟経由で無理やり戦場に出すことも可能ですので、洞窟のコールは意識しておいてください。

・4 不毛の大地
 エターナル環境不動の土地破壊カード。ヴィンテージにおいては『自分のやりたいことをやる』のが基本なため、あまり採られることのないカードです。白単ではやりたいことがマナ拘束であるため当然ながら4枚投入で活躍させます。

・4 幽霊街
 追加の不毛の大地。MUDや発掘相手には基本土地が入ってないため不毛の大地と同じ効果を持ちます。そうでない相手には数枚の基本土地が入っているためレオニンの裁き人の協力を得ながら土地破壊を進めることになります。

・1 露天鉱床
 ザ・土地破壊。当然の制限カードです。狙うべきは基本土地ですが、引いたらとりあえず目の前の土地を壊すで十分だと思われます。

・2 魂の洞窟
 従来は4枚投入によって虚空の杯をかわしていたこのカードは、杯の制限を受けて2枚まで減らしています。使い方はカウンター系デッキに対してクリーチャーを押し通すこととX=2の杯を遺物囲いで消すために通すことです。

・1 Karakas
 この辺りも説明は不要でしょう。このデッキではサリアと禍汰奇の2種類のクリーチャーがいるのを意識してください。また、リアニメイトデッキにおいてグリセルブランドを手札に戻して凌ぐという使い方があることも認識しておきましょう。

・11 平地
 他のフォーマットに比べ白マナ供給源が少ないです。遺物囲いのマナ確保を考えた動きをするよう心掛けてください。露天鉱床があるフォーマットとはいえ、1枚しかないためそれほど意識する必要はないでしょう。
 多くのデッキは白単ほどの土地をデッキに入れておらず、露天鉱床を利用するということによって逆に自分が土地を引き込めずに苦労することになるからです。

・3 流刑への道
 モダン基本除去ですが、裁き人の採用、MUDや発掘などの基本土地不在デッキが多数存在することから比較的リスク少なく使える事が考えられます。メンターやパイロマンサーについても出てくるトークンを処理すると同時に本体を処理する必要があるため、このカードを追加投入することになります。

・3 石のような静寂
 強烈なアーティファクト対策。基本的にはMUDに対して、そうでないデッキ相手にもメインで効きにくいカードと交換で差し替えることで疑似土地破壊として活躍します。
 注意しなければならないのはメインにある装備品、サイドにある爆薬です。これらを投入するメンター、パイロマンサー相手にはこのカードを追加採用するのは難しいでしょう。

・3 安らかなる眠り
 対リアニ、発掘対策。割られる可能性もありますが、大量破壊はないので引いた分だけ全部張ってしまってOKです。

・2 金輪際
 一種類のカードに勝利を依存しているデッキに投入します。オース、メンター、パイロマンサーなど、相手のマストカウンターカードとなります。
 戦場に出てしまっているカードには干渉することができませんが、戦場への対処は他のカードに任せておき、中期のゲームプランを構築するカードとして使っていきます。

・2 仕組まれた爆薬
 Moxen、トークン対策カード。杯が貼られた場合、無色土地でコストを変えて通します。通常はX=1までの運用ですが、盤面を崩壊させられた際にはElvish Spirit Guide経由でX=2まで対応することができます。

・2 エーテル宣誓会の法学者
 アンフェアなデッキに石鍛冶パッケージと交換で入れることになるクリーチャーです。MUDにはほとんど効きませんが、多くの他のデッキでは減速を余儀なくされます。また、ストームを含む一部のデッキでは致命傷となる場合もあります。


 次回は最後のエントリー、デッキのインアウトについてです。
 前回のエントリーにてレガシーの白単(デスタク)について解説しました。
 今回は禁断のフォーマットであるヴィンテージについてです。

・ヴィンテージ環境とは
 アンティと特殊なカードを除く全てのカードが使用できるフォーマットです。とはいえ、パワー9などの他のカードを全否定してしまう強力カードには1枚制限が加えられています。その特性から、作られるデッキには1枚刺しのカードが多くなり、デッキリストにしたとき非常に長いものになるというのも特徴です。

 また、他のフォーマット以上に先手後手を決めるサイコロの重要度が高いフォーマットと言えます。何故なら先手1ターン目に勝ちが確定するような手札が入ることも多く、先手が高速マナからスペル拘束カードを連打するという展開がよく見受けられるからです。

 そのため、先手1ターン目の動きを後手マナなしから阻害できるカード(いわゆるFoW、誤った指図)の有無が生死を分ける事が多いとも言えます。デッキを構成するカラーはLotusやMox、デュアルランドの関係上あまり関係がなく、とにかく強力なカードと青いカードを詰め込んだデッキというのが目立つというのも特徴でしょう。


・ヴィンテージにおける上位デッキについて
 既にヴィンテージにおいてはカードプールが広過ぎますし、直近のカードで過去の強烈なカードを上塗りするものも出にくいため、上位陣のデッキは大きく変化しません。
 Happymtgにおける登録デッキ全ての傾向と、最新のSCG Vintageの結果を見ても大きく分布が変化していることは見えないでしょう。

 逆に、これらのデッキに対して優位に立てるメインデッキを構築することが可能であれば、これはローグデッキとして成功する可能性が高くなってくることになります。


<Happymtgにおける上位成績デッキ>
茶単/MUD(144)
ジェイスコントロール/Jace Control(79)
秘密を掘り下げる者/Delver Go(69)
ザ・デック/The Deck(48)
発掘/Dredge(48)
オース/Oath(36)
墓荒らし/Grabrauber(33)
フィッシュ/Fish(20)
テゼレッター/Tezzereter(12)
ガッシュストーム/Gush Storm(12)

<最新のSCG Vintage トップ8>
茶単 2
ジェスカイコントロール
秘密を掘り下げる者
発掘
オース
メンター
グリクシスシーフ


・虚空の杯/Digの制限
 直近の禁止改定において強烈なロック機能を持つ虚空の杯が制限となり4枚搭載が前提となっていたMUDの弱体化が明らかになりました。同様にDigも制限に加えられたのですが、こちらは元々2枚程度しかデッキに投入されていなかったため大きな影響は出ていません。

 そのためか、直前まで隆盛を誇っていたMUDですが、直近のSCGにおけるTop8デッキからは数を減らし、青系(FoW)で武装を固めたクリーチャーデッキが結果を残すようになりつつあります。この流れは今後加速していくと考えられるでしょう。

 三なる宝球に加えて虚空の杯の制限によって、ヴィンテージの先手ゲーが若干ではありますが緩和されたと考えられます。とはいえ、高速マナから繰り出す先手1ターン目の脅威には変わりがなく、サイコロの出目がマッチ全体を左右する状況も大きく変わりません。


・ヴィンテージを支配するカード
 ヴィンテージ環境を支配するのはほんの数枚のカード(?)達です。

0.サイコロ運、初手ハンドキープ運
1.高速アーティファクトマナ、ストームカウント=Lotus、Moxen
2.スペル詠唱阻害=虚空の杯、三なる宝球
3.過剰ドロー=アンリコ、クルーズ、Dig、その他軽量ドロー群
4.クリーチャーデッキ否定=ドルイドの誓い
5.除去困難なトークン生成=ヤンパイ、メンター
6.発掘=Bazaar of Baghdad

 上記に対応できるようなデッキを組むことを目標としてメインデッキを構築してみましょう。なお、ローグデッキの観点から、いわゆるパワー9や超高額カードをデッキに搭載しないように構築しています。

 デッキリストとカード説明は次回のエントリーにて。
 前回のエントリーでは下記のデッキとカードについて紹介しました。それでは現在のレガシー環境にあるデッキに対してどのようなサイドボードをするのか見てみましょう。
<メインデッキ>
4 ルーンの母
4 石鍛冶の神秘家
4 スレイベンの守護者、サリア
3 ファイレクシアの破棄者
2 迷宮の霊魂
2 ミラディンの十字軍
4 ヴリンの翼馬
3 ちらつき鬼火

4 剣を鍬に
1 大変動
4 霊気の薬瓶
1 梅澤の十手
1 火と氷の剣
1 殴打頭蓋

4 不毛の大地
4 リシャーダの港
3 Karakas
1 トロウケアの敷石
11 平地

<サイドボード>
2 封じ込める僧侶
2 エーテル宣誓会の法学者
1 太陽の槍
1 大変動
1 悟りの教示者
1 浄化の印章
1 清浄の名誉
1 絶対の法
2 安らかなる眠り
1 仕組まれた爆薬
1 墓掘りの檻
1 真髄の針

・白青奇跡
In
 1 大変動
 1 悟りの教示者
 1 浄化の印章
 1 仕組まれた爆薬
 1 墓掘りの檻
 1 真髄の針
Out
 1 石鍛冶の神秘家
 2 ミラディンの十字軍
 1 剣を鍬に
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣

 構造上クリーチャー数が少なく奇跡天使で勝ちに来るため、トークンを流すことができる仕組まれた爆薬を投入します。また、土地を並べてゲームすることを前提としたデッキなのでそれを否定する大変動を、置き物への対処として印章や針を入れます。
 サイドアウトはクリーチャー対策が大半ですが、剣を鍬には残します。対戦相手のアグレッシブサイドボードとして僧院の導師の投入が考えられるからです。

・カナディアン・スレッショルド
In
 1 仕組まれた爆薬
 1 絶対の法
 2 安らかなる眠り
Out
 3 ファイレクシアの破棄者
 1 大変動

 元々デスタクはカナスレに対して有利なデッキです。対戦相手のクリーチャーと火力に対抗するためのサイドボードをします。安らかなる眠りはタルモゴイフ対策です。
 サイドアウトは相手に起動型能力がないことから破棄者、クロックパーミ相手に重い大変動となります。

・エルフ
In
 2 封じ込める僧侶
 2 エーテル宣誓会の法学者
 1 太陽の槍
 1 大変動
 1 悟りの教示者
 1 仕組まれた爆薬
 1 墓掘りの檻
 1 真髄の針
Out
 4 スレイベンの守護者、サリア
 4 石鍛冶の神秘家
 1 火と氷の剣
 1 殴打頭蓋

 エルフは高速コンボデッキ、かつマナ展開能力が高いのでデスタクが苦手とするデッキです。サイドボードからは展開速度をさらに抑えるクリーチャー、不正なクリーチャー出現を止めるカード、マナを拘束できるカードを追加します。
 サイドアウトはサリアと石鍛冶パッケージ。クリーチャーデッキ相手に意外と思うかもしれませんが、エルフデッキはデスタクが繰り出す装備品、特に梅澤の十手に対して過剰なサイドボードをすることが考えられるため、ここをサイドと入れ替える枠として活用します。

・むかつきストーム/ANT
In
 2 エーテル宣誓会の法学者
 1 大変動
 1 悟りの教示者
 1 浄化の印章
 1 清浄の名誉
 1 絶対の法
 2 安らかなる眠り
 1 仕組まれた爆薬
 1 真髄の針
 1 墓掘りの檻
Out
 4 石鍛冶の神秘家
 1 ヴリンの翼馬
 4 剣を鍬に
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣
 1 殴打頭蓋

 ストームコンボデッキに対しては、メインにある阻害要素に加えて呪文を唱えられなくするためのカード、マナを阻害するカードを重ねて追加していきます。このデッキはサイドボードからマイナス修整のエンチャントを投入する場合が多いため、こちらもそれに対応します。
 サイドアウトは石鍛冶パッケージとクリーチャー除去です。

・続唱青黒緑/Cascade UBG
In
 1 太陽の槍
 1 悟りの教示者
 2 安らかなる眠り
 1 真髄の針
Out
 1 スレイベンの守護者、サリア
 2 ヴリンの翼馬
 1 大変動
 1 火と氷の剣

 3マナクリーチャーまでで展開し、手札破壊とクロックパーミを武器とするBUG続唱なので、高速クリーチャー、タルモゴイフ対策を投入して対応します。対戦相手からは衰微とリリアナが投入されると思われるのでそちらも注意を。
 サイドアウトは効きにくいスペル拘束系クリーチャーと剣、大変動です。

・青黒赤ジャンク
In
 2 エーテル宣誓会の法学者
 1 太陽の槍
 1 悟りの教示者
 1 清浄の名誉
 1 絶対の法
 1 仕組まれた爆薬
Out
 3 ファイレクシアの破棄者
 2 ミラディンの十字軍
 1 大変動
 1 殴打頭蓋

 いわゆるパイロマンサーデッキが対応力を高めるために黒を加えた形です。トークン戦略を活用してくるためサイドからは爆薬を、硫黄の精霊対策として清浄の名誉を加えます。除去は赤を頼るため絶対の法が効くのも魅力的です。
 サイドアウトは抑える物がない破棄者、プロテクションがかみ合わない十字軍、速度が間に合っていない大変動です。

・白ウィニー
In
 2 封じ込める僧侶
 1 悟りの教示者
 1 大変動
 1 清浄の名誉
 1 真髄の針
Out
 4 スレイベンの守護者、サリア
 2 迷宮の霊魂

 同キャラ対戦。ことに装備品と薬瓶対策が勝負を分けます。サイドからはそれらを破壊し阻害するカード群を投入し、強化エンチャントを使って優位に立とうとします。大変動は盤面をリセットするためにも必要です。
 サイドアウトはサリア。相手のKarakasで戻される未来が見えます。他は効果が薄い霊魂です。

・リアニメイト
In
 2 封じ込める僧侶
 2 エーテル宣誓会の法学者
 1 悟りの教示者
 1 清浄の名誉
 2 安らかなる眠り
 1 墓掘りの檻
 1 真髄の針
Out
 4 石鍛冶の神秘家
 2 ちらつき鬼火
 1 大変動
 1 梅澤の十手
 1 火と氷の剣
 1 殴打頭蓋

 墓地からグリセルブランドを含む大型クリーチャーを一本釣りするデッキですので、当然ながらクリーチャーの不正プレイを阻害し、呪文を拘束するカード群を加えます。また、ANT同様にマイナス修整エンチャントが採られるので清浄の名誉をセットにします。
 サイドアウトは石鍛冶パッケージとちらつき鬼火、大変動です。霊魂や破棄者はグリセルブランドのドローを止める効果があるのでそのまま残します。

・ジャンド
 メインに入っているミラディンの十字軍を効果的に使うサイドボードをします。強化エンチャントと絶対の法で守れば負けることは無いでしょう。問題なのは相手のリリアナなので、起動型能力を止める針も重要な役割を果たします。また、死儀礼やタルモゴイフなど墓地依存も強いので安らかなる眠りも。
 サイドアウトはドロー阻害の霊魂、呪文阻害のサリアや翼馬などから選択することになります。

・スニークショー
 封じ込める僧侶と法学者、真髄の針で動きを止めれば相手から脅威が出ることはありません。こちらからは相手の全体除去に対抗する絶対の法を加えます。サイドアウトは石鍛冶パッケージです。

・土地単
 非常に特殊なデッキですが、基本的にクリーチャーデッキにだけ極端に強い構成となっているだけに厳しい戦いとなります。相手の燃え柳+罰する火コンボ、浄土からの生命やるつぼを止めるために安らかなる眠りを投入し、土地破壊もそこに集中します。また、エンチャント破壊と大変動も追加し、相手の土地を自由にさせないようにします。
 サイドアウトは殴打頭蓋を除く石鍛冶パッケージと破棄者。深遠の暗部を見た場合は剣を鍬にを抜かないように注意しましょう。

・MUD
 マナ拘束から大型クリーチャーで蹂躙するゲームプランは一部デスタクと重なっているため対処が難しいところです。可能な限りのアーティファクト除去と真髄の針を投入します。カルドーザの鍛冶場主が出る場合があるので封じ込める僧侶も入れます。
 サイドアウトは石鍛冶パッケージの一部と迷宮の霊魂、ミラディンの十字軍などでしょうか。


 非常に多くのデッキ、多彩なサイドボードカードがあるためその全てに対応するような方法はありません。また、対戦してみるまで何が出てくるかわからないのもレガシーの怖さではあります。
 2戦目は相手のサイドボーディングとゲームプランを注意深く観察し、来る3本目にどのような構成をすべきかを見据えながらゲームできるようになると良いでしょう。


 レガシー編はこれにて終了です。デスタクに関しては多くの方が記事を書いていますのでインターネット上で探してみてください。
 次回エントリーは禁断の領域、ヴィンテージにおける白単についてです。
 前回のエントリーでは直近のレガシー想定デッキを検証しました。その情報を基にレガシーにおける白単、いわゆるデス&タックスを組んでみましょう。


・デス&タックスとは
 レガシーにおける白単といえば、全体に破壊不能を付けて殴る騎士デッキの他にはこのデスタクが良く見受けられます。モダンにおける白単のエントリー同様、デスタクは相手の動きを『阻害』しつつ『クリーチャーを展開』するデッキです。また、渦巻く知識と真の名の宿敵を積んだ白青、手札破壊を加えた白黒、対青を想定した白赤、ガドック・ティーグなどを積んだ白緑といった派生デッキも存在します。白緑の場合は聖遺の騎士などを積んだマーベリックと呼ばれるデッキになる場合もあります。

 どのデスタクにも共通して言える特徴として、強烈なマナ拘束能力を持つことが挙げられます。モダン白単の際に幽霊街と地盤の際を採用して再現していた拘束能力は、レガシーにおいて不毛の大地とリシャーダの港によって容易に構築が可能となり、サイドボード(時にはメインデッキ)から採用される大変動によって土地の大量破壊も行います。

 また、デッキの根幹をなすカード群として『石鍛冶パッケージ』が挙げられます。これは他のタッチ白デッキでも採用されており、石鍛冶の神秘家から強烈な装備品を持ってきて打ち消せない状態で戦場に出すことができます。モダンでは強力過ぎて禁止されていたこのパッケージもレガシーであれば使用することができますし、これがなければレガシーという過酷な環境では白いクリーチャーデッキが戦えないとも言えるでしょう。

 そして、モダン白単の基本テクニックであった霊気の薬瓶、ちらつき鬼火もレガシーではそのまま使用します。相手のデッキが多彩になると同様に多種多様なカードが使われるため、どのカードに対して優先的に使用していくのが良いのかなど、経験がものを言う場面も多くなります。

 それではデッキリストです。
<メインデッキ>
4 ルーンの母
4 石鍛冶の神秘家
4 スレイベンの守護者、サリア
3 ファイレクシアの破棄者
2 迷宮の霊魂
2 ミラディンの十字軍
4 ヴリンの翼馬
3 ちらつき鬼火

4 剣を鍬に
1 大変動
4 霊気の薬瓶
1 梅澤の十手
1 火と氷の剣
1 殴打頭蓋

4 不毛の大地
4 リシャーダの港
3 Karakas
1 トロウケアの敷石
11 平地

<サイドボード>
2 封じ込める僧侶
2 エーテル宣誓会の法学者
1 太陽の槍
1 大変動
1 悟りの教示者
1 浄化の印章
1 清浄の名誉
1 絶対の法
2 安らかなる眠り
1 仕組まれた爆薬
1 墓掘りの檻
1 真髄の針

 メタが約半年前に戻りつつあるため、こちらのデッキも対応するように半年前の構成に近くなっています。しかし、新カードのヴリンの翼馬の採用、セラの報復者の不採用などいくつかのメインデッキの変化、真の名の宿敵不在による議会の採決不採用、全体修整に対抗する清浄の名誉の採用といったサイドボードの変化も発生しています。

 それでは各カードの説明を。

・4 ルーンの母
 環境最強の白1マナクリーチャー。タップするだけで好きな色のプロテクションを与えられる能力は攻守ともに活躍します。このデッキの場合は除去を弾くことを前提に立てたままゲーム展開をすることが多いですが、ダメージレースになりそうな場合にはプロテクションを付けた地上クリーチャーを突撃させるような使用方法もあります。
 対戦相手はまず最初にこのクリーチャーを倒さないと他のクリーチャーにタッチできません。そのうえ、このクリーチャー自身が自衛能力を持つため2枚以上の除去を通す必要があります。しかし、後述のサリアや翼馬、サイドの法学者が呪文のプレイを阻害するため、これ自身を除去することすら困難な場合もあります。
 1ターン目に置けて動けるようになったら、それだけで有利になります。

・4 石鍛冶の神秘家
 いわゆる石鍛冶パッケージの中核となるクリーチャーです。戦場に出たときに装備品をサーチし、タップ能力で戦場に出します。持ってくる装備品は大抵3種類搭載されており、それぞれについては後のカード説明にて行います。
 このデッキでは2マナクリーチャーが複数あり、その中でどれを優先して唱えるかを考える必要があります。その際、このカードと石鍛冶パッケージはフェアデッキへの対抗策としての位置づけとなります。それは持ってくる装備品が軒並みクリーチャー戦闘で有利に働くように設計されているからです。

・4 スレイベンの守護者、サリア
 モダンで既に紹介済みのスペル阻害クリーチャーです。こちらはコントロールやコンボ、特にANTやベルチャー対策に活躍します。
 レガシー環境ではモダンよりクリーチャーが減り、多くの1マナ、2マナスペルによって盤面を構成、ゲーム進行していくことになります。その中でこのカードはコストを倍近くに押し上げ、相手のゲーム展開速度を急激に落とすことが可能となります。
 なお、モダンにあった永岩城を使用したサリアの保護方法は、レガシーではKarakasに置き換わります。除去で狙われた場合にも簡単に手札へ戻すことができ、再召喚することができます。

・3 ファイレクシアの破棄者
 戦場に出るに際し指名したカード1種類の、起動型能力を封じることができるクリーチャーです。モダンのカードプールにもあるカードですが、環境に合致しなかったため採用はされていませんでした。
 レガシーでは戦場で悪さをする起動型能力が多数存在し、多くのデッキに分布しています。青白奇跡の独楽やジェイス、エルフの死儀礼やマナクリ、ANTのLED、黒系のヴェリアナ、などなど。
 このカードを使う上で重要なのは環境で使われているカードが何なのかを良く記憶しておくことです。そうしないと、適切なタイミングでカードを指定できず効果が半減してしまいます。

・2 迷宮の霊魂
 プレイヤーのカードドローに制約を加えるクリーチャーです。3/1と高火力であるため、ブロッククリーチャーがいない場面ではそれだけで脅威になる場合もあります。
 このカードもモダンプールですが、レガシーでは多くのデッキが青を使い、渦巻く知識を含めたドローサポートカードを搭載しているため、メインから採用しても腐りにくいという利点があります。
 このカードの真骨頂は相手のドロースペルに対応して、霊気の薬瓶から戦場に直接出すプランです。例えば、対戦相手がメインで撃った渦巻く知識に対応できた場合、相手は手札に1枚もカードを加えられず、ライブラリーに2枚カードを戻さなければならなくなります。
 その他、エルフの垣間見る自然や、ジャンドの森の知恵など、青に限らずドローをするデッキはありますのでうまく活用してみてください。

・2 ミラディンの十字軍
 モダンではセラの報復者が純粋なビートダウン要員として入っていましたが、レガシーではこのカードにその枠が与えられました。理由としてはオムニテルの消滅によって緑と黒のデッキが隆盛しておりプロテクションカラーが合致すること、二段攻撃で速やかに相手のライフが削れること、各種装備品との相性が良いことが挙げられます。
 前半に展開したクリーチャーに火力を使ってもらい、このカードが後半に登場することで相手が焼けない状態となるのが理想です。他の3マナカードと相談しながら必殺のタイミングを見切りましょう。

・4 ヴリンの翼馬
 空飛ぶサリア。しかも伝説でないので横に並びます。霊気の薬瓶から連続して戦場に登場すると、それだけで相手のデッキは機能不全に陥ります。
 このクリーチャーが登場したことにより、セラの報復者という飛行クリーチャーを採る理由が若干ですが薄くなりました。このデッキでは大胆に『全とっかえ』という方法で飛行クリーチャーをこれとちらつき鬼火の2種類に集約しています。

・3 ちらつき鬼火
 モダンで書き尽くしましたので割愛します。基本は霊気の薬瓶からの奇襲ですが、ミラディンの十字軍で殴ってからブリンクさせ、ブロッカーを用意するなど普通に唱える場合もあります。
 モダン環境以上にレガシー環境では能力や呪文にスタックして動く機会が多くなります。一瞬のタイミングを見逃さず、相手の嫌な動きができるように練習をしましょう。

・4 剣を鍬に
 白いレガシー基本除去。クリーチャーを問答無用で追放する代わりに、そのクリーチャーのパワー分のライフを相手に与えます。盤面の脅威を取り除き、当面はゲームに影響しないライフに置き換えるという強力なカードといえるでしょう。
 レガシーとはいえ、いくつかのコンボデッキを除いて基本的にはクリーチャーによるライフ喪失が敗因であるため、このデッキでも4枚投入して対応できるようにしています。クリーチャーの多いデッキ対策としてサイドボードに追加の除去を取る場合もあります。

・1 大変動
 通常はサイドボードにあるこのカードですが、サイドボードが圧迫された結果メインに1枚投入されることになりました。主に青白奇跡、エルフ、クリーチャーを横に並べるフェアデッキに効果的で、動きを阻害されて遅くなったコンボデッキ相手に土地破壊として撃つ場合もあるカードです。
 処理の手順が若干煩雑で、まずコントローラーがアーティファクトを1つ選び対戦相手が1つ選びます。同様に、クリーチャー、エンチャント、土地と1つずつ選び、選ばれなかったパーマネント全てを同時に生け贄に捧げます。
 このカードが制作された時代にはプレインズウォーカーというカードタイプがありませんでした。そのため、このカードでは上記のパーマネントタイプを追加で得ていない限り、全てのプレインズウォーカーは問答無用で生け贄に捧げられることになります。

・4 霊気の薬瓶
 こちらもモダンの記事にて多くの事例を書きました。レガシーにおいてもキーカードとなります。サイドボードを含め様々なパターンを想定しておきましょう。

・1 梅澤の十手
 スタンダードで禁止カードにもなった悪名高き装備品、石鍛冶パッケージ必須パーツその1です。装備したクリーチャーがダメージを与えるたび蓄積カウンターを2個獲得。カウンター1つにつき、ライフゲイン、クリーチャー除去、巨大化の3つのモードから1つを選んで使うことができます。
 デスタクを含めたクリーチャーデッキのほとんどに劇的な効果を持ち、これ1枚で封殺するだけの力があります。対戦相手がクリーチャーを展開したら、石鍛冶から真っ先にサーチすべきカードとなるでしょう。

・1 火と氷の剣
 石鍛冶パッケージのパーツその2です。このカードはデッキ構成やメタゲームによってはサイドボードであったり別の色の剣であったりすることがあります。対戦相手に戦闘ダメージを与えたとき、追加で『火(2点割り振り)/氷(1ドロー)』の効果を得ます。
 デスタクにおいてはフィッシュ対策、十手を割られた際の2枚目のクリーチャー対策、または数少ないアドバンテージ手段として投入されています。迷宮の霊魂とはアンシナジーとなる場合があるので運用には注意してください。

・1 殴打頭蓋
 装備品にもかかわらず、CIPでクリーチャートークンに装備した状態で出現します。その能力は4/4伴魂警戒と無色5マナカードとは思えない強さです。
 このカードが真価を発揮するのは、石鍛冶からサーチ、次のターンに直接戦場に出たときで最速3ターン目に決まりカウンターできません。そのまま相手を蹂躙するもよし、相打ちを取られたら手札に戻して再召喚するもよし。
 また、このカードは黒緑系デッキに対して優先的にサーチすることも多いカードです。彼らの多くは基本除去として衰微を採用しており、このカードにタッチすることが基本的にできないからです。

・4 不毛の大地
 レガシー環境における基本土地破壊。多くのデッキではフェッチランドから数枚のデュアルランドにアクセスしてゲームを展開するため、1枚破壊されるだけでもデッキの動きに影響が発生します。
 その上、このデッキでは前述のサリアや翼馬によるスペル拘束、後述のリシャーダの港による土地拘束を行うため、ただ1枚土地を壊す以上に効果的に作用します。
 壊す土地は相手の色マナを自由にさせないように選ぶのが基本ですが、IthやTabernacle、燃え柳やDepthなどの特殊地形は優先的に破壊するようにしてください。

・4 リシャーダの港
 デスタクだけが使用するマナ阻害カード。1マナタップで対象の土地をタップできます。基本的には相手のアップキープに使うことで、アップキープでの行動を要求し、メインで使えるマナを削るようにします。
 また、相手のエンドステップに青マナを縛ることで打消し呪文を使いにくくしたり、緑や黒のマナを縛ることで衰微を使えなくすることもあります。

・3 Karakas
 レガシーにおける基本でない平地。タップすることで伝説のクリーチャーを手札に返すことができます。
 このカードによってデスタクはオムニテルやスニークショー、リアニメイトに対して一定の抵抗力をメインから持っています。また、デッキに搭載しているサリアを護ることもできるようになっています。

・1 トロウケアの敷石
 モダンにもある基本でない平地。伝説の土地なのでデッキに1枚のみの搭載です。破壊されたとき、ライブラリーから平地をサーチしてタップ状態で出すことができます。
 このデッキでは自分の撃つ大変動に巻き込むことで相手より1マナ多く確保した状態の盤面を作ることができます。

・11 平地
 説明不要。モダンとは異なり月が出てくることは少ないですが、ある程度の白マナを安定して確保したいのであれば10枚程度の白マナ源を必要とします。
 フェッチを利用したデッキ圧縮をしない理由はモダンと同様です。カナスレが搭載しているもみ消しが刺さることで逆に土地破壊されてしまうと大変なことになります。


<サイドボード>
・2 封じ込める僧侶
 特殊セットから登場したヘイトクリーチャーです。呪文として唱える方法以外では(トークンでない)クリーチャーが戦場に出られなくなります。
 エルフの使う緑頂点やOrder、同キャラやマーフォークの使う薬瓶、リアニメイト、スニークショー、MUDの鍛冶場主など、多くのデッキに作用します。
 このクリーチャーの良い点は瞬速持ちであること。相手の行動を見てから唱えることで呪文を空振りさせたり目論見を潰すことができます。

・2 エーテル宣誓会の法学者
 モダンでも使用した法学者はレガシーにおけるサイドボードとして活躍します。エルフのチェインコンボ、ANTのストーム、各種コンボデッキの低速化に貢献します。

・1 太陽の槍
 追加の高速クリーチャー対策はモダンと同様です。デルバー、死儀礼、ボブ、のび太(金属細工師)、パイロマンサー、フィッシュなどが主な対象となるでしょう。

・1 大変動
 メインデッキで説明した通りです。効果的なデッキ相手に積み増します。

・1 悟りの教示者
 白に許された数少ないサーチカード。エンチャントかアーティファクトを1枚ライブラリーから選びTopに持ってくることができます。このデッキでは多種多様なエンチャントやアーティファクトをサイドボードとして採用しており、また、メインデッキにおいても装備品を散らして採用しています。
 これらのカードを必要に応じて引っ張り出して利用する『シルバーバレット』戦略のための1枚でもあります。ゲームへの影響を与えるのが1ターン遅れ、カードアドバンテージも失うことになりますが、それに余りある強烈なカードをデッキから強引に引きこむことができます。

・1 浄化の印章
 通称『置き解呪』。生け贄にすることでエンチャント、アーティファクトを破壊できます。十手などの装備品、薬瓶、マイナス系エンチャントなど脅威となるカードがサイドから投入されるこが予測され、それに対応するためにこちらからも投入します。

・1 清浄の名誉
 白いクリーチャー限定の強化エンチャント。相手の全体マイナス系除去をかわすために設置したり、マイナス系エンチャントを相殺するために設置したりします。青白奇跡相手にクリーチャー1体1体の脅威を増すように入れることも考慮します。

・1 絶対の法
 全てのクリーチャーにプロテクション赤を持たせるエンチャント。紅蓮地獄を投入してくる相手やバーン相手に投入します。

・2 安らかなる眠り
 モダンでも活用した墓地掃除エンチャント。瞬唱やANT、少数ですがドレッジ、土地単のロームやるつぼなど、対策しないと致命的なものは結構あります。

・1 仕組まれた爆薬
 レガシー環境はモダン以上に軽量カードに頼る傾向があります。このデッキではX=0もしくは1でしか使用できない爆薬ですが、それでも効果範囲は広いです。
 特に各種トークン類やエルフに対して効果的に作用するため積極的に投入します。

・1 墓掘りの檻
 安らかなる眠りとは違った形の墓地対策。こちらは一部ライブラリーからの効果にも干渉することができます。
 瞬唱、エルフ、ANT、ドレッジなどへの対策カードとなっています。奇跡やLandsには効かない(彼らは墓地やライブラリーの呪文を手札に入れてから使用する)ので注意してください。

・1 真髄の針
 究極のユーティリティカードです。メインデッキに投入されていた破棄者の能力を持つアーティファクトで、こちらは土地の持つマナではない起動型能力も封じます。
 多くは装備品、プレインズウォーカー対策として、場合によってはエルフなどのクリーチャーやフェッチランドを縛るなどの選択も行います。


 まさかこんなに長くなるとは…。
 サイドインアウトについては次のエントリーで。
 前回までのエントリーにてモダンの白単について説明をしました。
 では、レガシーという環境においては白単がどのような形態をとるのでしょうか。

・直近のレガシー環境
 レガシー環境は、特殊セットを含めほぼすべてのカードが使える環境です。MoxやLotus、強力なドローカードなどの一部壊れたカード達は禁止になっていますが、それでもモダンに比べて多くのデッキが存在できる環境といえるでしょう。

 また、ピッチスペル(特にForce of Will)の存在によって、1ターンキルデッキも許容される環境となっています。実際にベルチャーなどの一部デッキは手札次第で先手1ターンキルが可能です。

 さて、以下は直近1か月の上位デッキ15種です。

白青奇跡/WU Miracle(37)
カナディアン・スレッショルド/Canadian Threshold(15)
エルフ/Elves(12)
むかつきストーム/ANT(11)
続唱青黒緑/Cascade UBG(9)
青黒赤ジャンク/UBR Junk(8)
白ウィニー/White Weenie(8)
リアニメイト/Reanimate(8)
ジャンド/Jund(6)
スニーク・ショー/Sneak Show(6)
土地単/Lands(5)
茶単/MUD(5)
青黒緑アグロ/UBG Aggro(5)
青赤デルバー/UR Delver(5)
ペインター/Painter(4)


・禁止カードの影響
 9月の禁止カード改訂によってDigと呼ばれる探査サーチスペルが禁止され、環境を支配していたオムニテルがほぼ消滅しました。また、多くの青いデッキにはドロー操作としてそれなりの枚数が投入されていましたが、それらを失ったことで青いデッキが上位から少なくなりつつあります。

 逆に、ハンドアドバンテージを楽に稼ぐ手段が減ったこと、青い瞬殺コンボが減衰したことで緑や黒を基調としたハンデスを利用したクリーチャーデッキが復活してきています。今後はDig禁止前の環境にあったデッキやサイドボードを思い出しながらプレイする必要があるでしょう。


・環境全体を俯瞰して
 まずTier1として白青奇跡が依然として残っています。相殺独楽と呼ばれるライブラリ操作や継続した打消し能力を持ち、全体除去によるクリーチャー耐性もあり、Dig禁止の影響を精神を刻むものジェイスを投入することで乗り越えられるデッキだからです。
 サイドボードからはクリーチャーを展開するアグレッシブサイドボードを使ってくることも特徴として挙げられます。クリーチャー除去を全抜きするとサイド後にゲームを取られることになるでしょう。

 カナスレも古くレガシーでTier1からTier2によく存在するデッキです。デッキ構成上オムニテルに弱いという欠点があったため採用率が少なかったのですが見事に返り咲いたようです。
 エルフは瞬殺コンボを搭載した緑黒のクリーチャーデッキです。こちらもオムニテルによって抑圧されていたデッキといえます。
 逆にオムニテルを使っていたコンボ使いは奇跡、ANT、リアニ、スニークショー、MUD、ペインターなどに散ったようです。

 このように俯瞰すると、9月の禁止改定によってレガシー環境が健全化されたといって良いでしょう。


・レガシーにおける白単
 禁止改定前はオムニテルと対オムニテルのデッキが半数以上を占め、それに対するメインデッキを作ることで優位に戦うことができました。何故なら、そのような環境において白単は『ローグ』であり、意識されることが少なかったからです。

 しかし上位デッキタイプを見た通り、現在のレガシーにおいて白単はTier2からTier3に絡む位置に存在しています。そのため、サイドボードから対策カードが投入される事態も想定しなければならなくなりました。とはいえ他のTier1、Tier2のデッキへの対処が優先されるため多くの枚数が割かれることはありません。

 そして、レガシーはオムニテル隆盛前の混沌としたメタの状態に戻りつつあります。このような環境において一部のデッキに絞ったカード選択を多く行うことは、狙っていないデッキを踏んだ時の無駄カードが多くなることとなり、デッキ全体の強度を下げてしまうことになります。

 逆に若干カードパワーが低くても汎用性の高いカードを採用することで、ゲーム盤面に合わせた展開が可能となり、ゲームを優位に進められる可能性が高くなります。これはモダン白単とは全く逆のカード選択といって良いでしょう。

 とはいえ、1ターンキルデッキも存在するレガシー環境。瞬殺コンボにはある程度の耐性を付けておくことが必要です。そのうえ各色の歴代最強クリーチャーがお目見えするだけに、愚直にウィニークリーチャーを出して殴ってもサイズや能力で見劣りするのは明らかです。

 このような分析を考慮し、実際にレガシーの白単を作ってみることにしましょう。
 デッキと説明については次のエントリーに廻します。

 前のエントリーにてデッキ内のカード解説は終了しました。それでは実際に仮想敵に対してどのようにカードを入れ替えるか考えてみましょう。
<メインデッキ>
3 審判官の使い魔
2 呪文滑り
3 エーテル宣誓会の法学者
4 スレイベンの守護者、サリア
4 レオニンの裁き人
4 セラの報復者
3 エイヴンの思考検閲者
3 ちらつき鬼火

4 流刑への道
2 四肢切断
2 神の怒り
4 霊気の薬瓶

4 幽霊街
3 地盤の際
1 すべてを護るもの、母聖樹
1 変わり谷
1 地平線の梢
1 永岩城
12 平地

<サイドボード>
2 コーの火歩き
2 ミラディンの十字軍
1 太陽の槍
1 審判の日
1 避難所の印
3 石のような静寂
3 安らかなる眠り
2 虚空の杯

・Tier1 欠片の双子コンボ
 In
  1 避難所の印
  3 安らかなる眠り
  2 虚空の杯
 Out
  3 審判官の使い魔
  2 神の怒り
  1 エイヴンの思考検閲者

 対戦相手のサイドボードから紅蓮地獄が投入されることが想定されます。そのため、カウンターサイドボードとして避難所の印を投入し、瞬唱対策に安らかなる眠り、ドロースペル対策に虚空の杯をX=1で準備します。
 サイドアウト候補は除去としては重くソーサリーである神の怒り、カードパワーの弱い審判官の使い魔、高コストクリーチャーの思考検閲者などです。
 メインデッキで優位となるカードを既に多く選択しており、追加するカードはそれほど多くはありません。

・Tier1 親和
 In
  2 コーの火歩き
  1 太陽の槍
  1 審判の日
  3 石のような静寂
 Out
  3 審判官の使い魔
  1 スレイベンの守護者、サリア
  3 エーテル宣誓会の法学者

 対戦相手のサイドボードから鞭打ち炎が入ってくる可能性がありますが、それ以前に親和の速度についていく必要があります。サイドから火力耐性のある火歩き、追加の除去とアーティファクトを封殺する石のような静寂を入れて対応します。
 サイドアウト候補は1/1飛行としての価値しかない使い魔、アーティファクトには制限を掛けられない法学者、神の怒りを重くする可能性があるサリアが抜けます。

・Tier2 感染
 In
  2 ミラディンの十字軍
  1 太陽の槍
  2 虚空の杯
 Out
  3 セラの報復者
  2 神の怒り

 とにかく毒を載せられないようクリーチャーを早急に除去していきます。手札との兼ね合いですが虚空の杯X=1で相手の動きを封じることも考慮します。危険なのは荒廃の工作舎、墨蛾の生息地、強大化の3枚です。
 サイドからはプロテクション緑の十字軍、追加除去の槍、虚空の杯を。サイドアウトするのは召喚までに時間がかかるセラの報復者と神の怒りです。

・Tier2 死せる生
 In
  1 審判の日
  3 安らかなる眠り
  2 虚空の杯
 Out
  4 セラの報復者
  2 四肢切断

 デッキ内のクリーチャーがほぼ全てLiving Endの妨害能力を持っているため、サイドからは全体除去と墓地対策の追加を行います。虚空の杯はX=0で置くことでLiving Endを打ち消すことができるようになります。
 サイドアウト候補は妨害能力を持たないセラの報復者、不要となった単体除去の四肢切断です。相手の鋳塊かじりと内にいる獣が厄介ですが、呪文滑りを利用してかわしてください。また、想起クリーチャーは戦場を経由するため流刑への道を合わせると追放することができることも覚えておくと良いかもしれません。

・Tier2 バーン
 In
  2 コーの火歩き
  1 太陽の槍
  1 避難所の印
  2 虚空の杯
 Out
  1 エイヴンの思考検閲者
  2 四肢切断
  2 神の怒り
  1 すべてを護るもの、母聖樹

 高速で出てくるクリーチャーに押し切られない事、火力で本体を焼かれないことが勝つためには必要となります。サイドからはプロテクション赤の火歩き、軽量除去の槍、全体除去対策の避難所の印、X=1で相手のカードをほぼ封殺できる虚空の杯です。
 サイドアウトはライフを切り詰めて使う四肢切断と母聖樹、クリーチャー数の少なさから不要と思われる神の怒り、高コストクリーチャーの思考検閲者となります。

・Tier2 Zoo
 In
  2 コーの火歩き
  2 ミラディンの十字軍
  1 太陽の槍
  1 審判の日
  1 避難所の印
 Out
  3 審判官の使い魔
  3 エーテル宣誓会の法学者
  1 すべてを護るもの、母聖樹

 こちらも高速展開されたクリーチャーを凌ぎ、全体除去までつなげられれば安全になります。各種プロテクション持ちクリーチャーを利用し、火力は避難所の印でかわします。相手のデッキ構成が1マナ域に偏っている場合は虚空の杯も検討します。
 サイドアウトはカードパワーの低い使い魔と効果の薄い法学者、ライフの支払いが痛い母聖樹が候補となります。

・Tier2 マーフォーク
 In
  2 コーの火歩き
  2 ミラディンの十字軍
  1 太陽の槍
  1 審判の日
  3 石のような静寂
 Out
  3 レオニンの裁き人
  2 呪文滑り
  4 霊気の薬瓶

 フェッチを使わないマナ基盤、クリーチャー展開に薬瓶を多用、広がりゆく海で土地を破壊するところまで全く同じデッキ構築思想であるため、このデッキの天敵ともいえます。
 ゲームプランは地上をブロックしつつ飛行クリーチャーで押し切る形となります。そのため、サイドからは地上を守れるクリーチャーと追加の除去を入れます。そして、相手の急所である薬瓶を止める石のような静寂を『あえて』インし、アグレッシブサイドボーディングをします。
 こちらのサイドアウトは当然霊気の薬瓶と呪文滑り、また相手の広がりゆく海を自分の幽霊街で壊しやすくするためにレオニンの裁き人を外します。
 プレイ時に注意すべきは法学者で、相手から大いなる瑠璃紡ぎ、綺羅が出てしまうとクリーチャーの単体除去が不可能になってしまう点です。その際には永岩城で綺羅を一度対象に取ってから除去を打つようにします。

・精力の護符ランプ
 バウンスランドを活用しマナを伸ばす特殊なデッキです。メインから多くの土地破壊が入っているため優位に戦えますが、集団意識を張られると対処ができません。サイドからは梓対策の除去と十字軍を加え攻撃を通りやすくします。
 なお、集団意識は呪文のコピーをスタックに直接乗せるので虚空の杯で回避できないことを注意してください。

・白黒緑ジャンク
 十字軍と追加の除去、墓地対策を追加します。スペルが少ない傾向があるので使い魔やサリアをサイドアウトすることも検討します。非常に多様な形状をしているため、相手からどんな呪文が使われたのか、また、どのようなプランで勝ちを目指しているのかをよく推測しましょう。

・ジャンド
 ジャンク同様のサイドボードになります。こちらは比較的スペルの枚数が多く火力対策も必要となるので大規模な入れ替えとなるでしょう。サイドアウト候補は使い魔、法学者、思考検閲者などでしょうか。

・トロン
 基本土地が少ないため、流刑への道や幽霊街が非常によく効きます。また、相手にトロン以外の土地を並べさせることで地盤の際が使用できるタイミングも発生すると思われます。神の怒りと四肢切断、法学者をサイドアウトし、石のような静寂やプロテクションクリーチャー、避難所の印をデッキに投入します。


 現在のモダン環境を賑わせているデッキへの対策を駆け足で見てきましたが、これはあくまで一例であり、相手のデッキ、特に相手から使用されたカードをよく確認した上でサイドボードは慎重に選びましょう。1-1からの3戦目、相手から出てきたサイドボードカードに対応するためのカードも、このデッキではどこかに隠れているはずです。戦略を練り直しマリガンの基準も論理的に決められるようになれば最高です。

 また、白単デッキは『本日の』メタに合わせて調整された代物、つまり『明日』になればもう古いデッキとなります。もしこのデッキを参考にして大会に出るのであれば、自分の出る大会のメタをしっかり読み切る必要があります。地域メタなどでデッキ構成が大きく変わることも想定されるでしょう。
 しかし安心してください。白単にはメタの変遷に合わせた選択肢のある優秀なクリーチャー群、スペル群が待っています。研究を進めればそれだけ多くの良い回答を見つける事ができるようになるでしょう。


 最後に、このデッキでは(当然のことながら)相手の手札を見るカードは入っていません。しかし、白単デッキはゲームプランを立てるために『相手の手札が透けて見える』ことを要求します。
 それは相手の仕草や目線、手札移動からカードを類推したり、論理的思考から例外を排除することであったり、裏目を回避するためのアクションであったり、エンドカードを構えていないという条件で特攻したりすることにつながります。

 ここまでお付き合いいただいた方ならもうお分かりだと思いますが、構築ですら安易な回答を得られないのが白単というデッキの宿命です。これは今後解説するレガシーやヴィンテージでも同じです。
 はっきり言って、楽をして勝ちたいのであれば流行の勝ち馬デッキに乗ってください。何故ならそれは環境を支配しているという実績があるから間違いがないのです。


 次のエントリーはレガシーにおける白単、いわゆるデスタクについてです。
 ここまでの2回のコラムにて、モダン環境と白単の置かれている状況は理解いただけたと思います。それを踏まえたモダン白単のサンプルデッキを挙げ、各カードについて説明していきます。

<メインデッキ>
3 審判官の使い魔
2 呪文滑り
3 エーテル宣誓会の法学者
4 スレイベンの守護者、サリア
4 レオニンの裁き人
4 セラの報復者
3 エイヴンの思考検閲者
3 ちらつき鬼火

4 流刑への道
2 四肢切断
2 神の怒り
4 霊気の薬瓶

4 幽霊街
3 地盤の際
1 すべてを護るもの、母聖樹
1 変わり谷
1 地平線の梢
1 永岩城
12 平地

<サイドボード>
2 コーの火歩き
2 ミラディンの十字軍
1 太陽の槍
1 審判の日
1 避難所の印
3 石のような静寂
3 安らかなる眠り
2 虚空の杯

 異端のカード選択、禍々しくも純白なデッキ構成です。
 それでは各カードの説明を。メイン61枚はデッキ製作者のサインです。

・3 審判官の使い魔
 生け贄に捧げるとインスタント、ソーサリーを阻害できるクリーチャー。1ターン目のアクションとして出せる飛行クリーチャーで、コンボデッキのドロー呪文を遅らせたり、後述の霊気の薬瓶から奇襲で呪文を打ち消したりします。

・2 呪文滑り
 2ライフ支払うと呪文の対象をこのクリーチャーに変えられます。双子の欠片、火力呪文、感染デッキの強化呪文を吸い込むのがお仕事です。タフネスが4あるのでバーンデッキやZooの壁になることもあります。

・3 エーテル宣誓会の法学者
 アーティファクト以外の呪文が1ターンに1回しか唱えられなくなるクリーチャー。双子デッキはクリーチャーを着地させたり双子を唱えたりしてしまうと除去を打ち消せなくなりますし、感染デッキは強化呪文を連打できなくなります。また、Living Endは続唱そのものが唱えられなくなるためコンボが成立しなくなります。

・4 スレイベンの守護者、サリア
 クリーチャー以外の呪文が1マナ重くなる伝説のクリーチャー。2マナと軽量で、非クリーチャー呪文に依存する多くのモダン、レガシー、ヴィンテージデッキの挙動にダメージを与えます。モダンでは特に双子、感染に効きます。なお、一応永岩城でダメージ軽減もできます。

・4 レオニンの裁き人
 ライブラリーのサーチを阻害するカードその1。サーチをしたいなら1ターンに2マナ要求し、2体重ねると4マナです。現在のマジックはスタンダードからヴィンテージまでフェッチランドに依存した土地基盤を基本としていますが、このカードがそれを根底から否定します。
 このカードはデッキ内の流刑への道や幽霊街とシナジーを形成します。

・4 セラの報復者
 4ターン目以降でないと唱えられない3/3飛行警戒クリーチャー。このデッキの主力アタッカーです。このデッキでは非常に多くの土地破壊ランドを使用するため、見た目以上に土地が並びません。2マナ出せるクリーチャーとしては破格で、攻守ともに活躍します。また、霊気の薬瓶から召喚制限を踏み倒して戦場に出すことも可能です。

・3 エイヴンの思考検閲者
 ライブラリーのサーチを阻害するカードその2。こちらは対戦相手だけに効き、効果を無効化することができません。ライブラリーの上4枚のみしかサーチできないため、フェッチランドに重度依存したデッキは土地を見つける事ができないでしょう。また、瞬速&飛行持ちのため相手の行動に対応して唱える事で奇襲をすることも可能です。
 裁き人同様、デッキ内の流刑への道や幽霊街とシナジーを形成します。

・3 ちらつき鬼火
 戦場に出たとき、パーマネント1つをブリンクする能力を持つクリーチャー。3/1飛行という基本スペックの他、霊気の薬瓶との組み合わせで疑似的に除去を回避したり、相手のクリーチャーを消して殴る、相手の土地を消して呪文を一時的に唱えられなくするなど、応用範囲がとても広いです。
 このカードをどう使えるかで、このデッキの強さも大きく変わります。

・4 流刑への道
 モダンの白デッキにおける基本除去です。対象になるクリーチャーを問答無用で追放する代わりに、対戦相手にタップ状態の基本土地を提供します。このデッキではレオニンの裁き人とエイヴンの思考検閲者が入っており、対戦相手に土地を与えるデメリットを解消しています。
 今はメタの外にいますが、基本土地の少ないトロンにはよく効きます。

・2 四肢切断
 1マナと4ライフで対象のクリーチャーに-5/-5の修正を与えます。ライフロスは痛いですが、5枚目、6枚目の流刑への道として追加投入しています。タルモゴイフも射程に入る除去であり、プロテクション白であるファイレクシアの十字軍がうっかり出てきた時にも対応できます。バーン相手には抜きましょう(笑)。

・2 神の怒り
 白定番のクリーチャー全滅呪文です。再生もさせません。間に合えば展開後の親和、Living Endの返し、展開中のZooやマーフォーク、ジャンク、緑単、ジャンド、どれにでも刺さります。
 重要なのはメインから投入されている意外性であり、相手の戦線が拡大した所に打ち込みたい呪文です。自分のクリーチャーも流れてしまいますので、後続をうまく手札に隠すようにプレイしてください。

・4 霊気の薬瓶
 このデッキのキーカードです。ターン経過とともにカウンターが増え、呪文コストが等しいクリーチャーを直接戦場に出すことができます。このデッキ内のほとんどのクリーチャーは戦場にあるときに継続的効果を発生させるものか、すぐに使える起動型能力を持っているか、CIP能力のちらつき鬼火です。
 能力を起動し相手が対応しなかった場合、手札から直接出されたクリーチャーは即座に効果が有効になります。相手はクリーチャーを見てから対応することができませんから、対応を誤ることも多い難しいシチュエーションとなります。
 例えば、双子の終了ステップにサリアを出して打ち消し呪文をいきなり重くする、フェッチランド起動に対応してレオニンの裁き人を出す、Living Endの続唱に対応してエーテリウム宣誓会の法学者を出して空振りさせる、フルタップの呪文に対して審問官の使い魔を出して打ち消す、火力に対して呪文滑りを出して弾く、感染の即死攻撃に対してちらつき鬼火を出してブリンクするなどなど。
 このデッキ活かしきるためには、まずこの薬瓶の使い方を覚えてください。

・4 幽霊街
 対象の土地を破壊して、コントローラーが基本土地を1枚サーチして出します。主にトロンやマンランドなどの特殊地形対策ですが、このデッキではサーチ阻害クリーチャーの支援を得て露天鉱床のような働きをします。
 もうお分かりだと思いますが、このデッキは白単ランデスなのです。

・3 地盤の際
 対象の特殊地形を破壊しますが、条件として対戦相手が土地を4枚コントロールしていないと起動できません。起動条件なので、4枚コントロールしている状態からなら2枚の地盤の際を一度に(スタックに乗せて)起動することができます。
 トロンと対戦する際は、前述の幽霊街を利用して燃え柳の木立ち+森というセットに誘導してください。そうすることでトロンの成立が5枚目の土地となり、地盤の際を起動するタイミングが生まれます。

・1 すべてを護るもの、母聖樹
 2ライフを払うことで、インスタントやソーサリーが打ち消されなくなる土地です。メインデッキでは神の怒りを(マーフォーク、双子相手に)確実に通すために使いますが、真価はサイドボードの虚空の杯と組み合わせたときに発揮されます。
 虚空の杯はX=1で唱えることになるため、デッキ内の流刑への道が打ち消されてしまいます。しかし、スレイベンの守護者、サリアの能力で追加の1マナを要求されれば、無色コスト部分に母聖樹のマナを充てることで虚空の杯で打ち消されないようにできます。

・1 変わり谷
 全てのクリーチャータイプを持つ2/2になる土地。普段は土地であるため神の怒りでは流されず、ソーサリー除去の的になりにくいという特徴があります。逆に、これは土地基盤であるため、うっかり壊されてマナ不足を起こさないように注意が必要です。

・1 地平線の梢
 マナを出す度にライフロスがある代わりに不要になればドローに変換できる土地。選択性を得た代わりにライフを失うリスクがあるため1枚だけの採用です。多くの白絡みのデッキで採用されているとはいえ、本当に必要なカードかどうか悩みます。

・1 永岩城
 アンタップインする特殊地形の平地。伝説のクリーチャーに与えらえるダメージを2点軽減する能力を持っていますが、サリアに2点だけダメージが当たる盤面は少ないでしょう。血染めの月で山になっちゃいますが、そこはご愛嬌で。

・12 平地
 能力は説明不要ですね。12枚の基本土地は血染めの月や大魔道士が盤面にあっても安定して白1マナを供給してくれます。このデッキではレオニンの裁き人を使うことと、万が一押しつぶしで打ち消される可能性を考慮してフェッチランドによる圧縮はしません。自分から土地を壊してゲームプランを作る関係上、1ゲーム中にマナの出る土地が5枚以上は欲しくなります。


 ここからはサイドボードです。

・2 コーの火歩き
 わかりやすいバーン対策です。非常に強烈に作用しますが、うかつに赤いクリーチャーをブロックしたりすると、頭蓋割りなどで除去されてしまうので注意してください。

・2 ミラディンの十字軍
 感染、ジャンク、緑単、ジャンド等に投入します。別名タルモゴイフブロッカー。赤絡みのデッキと対戦する際には後述の避難所の印とセットで使いましょう。

・1 太陽の槍
 白以外のクリーチャーに3点与えるソーサリー。四肢切断と差し替えてバーンに投入したり、高速クリーチャーデッキに対する追加の除去として投入します。

・1 審判の日
 フェアデッキ(強力なクリーチャーを数多く展開するデッキ)に対する追加の神の怒りとして投入します。審判の日を利用しているのは金輪際、外科的摘出などで片方が使えなくなる可能性を考慮しています。

・1 避難所の印
 赤除去対策です。双子、バーン、Zoo、ジャンドなどに投入します。このデッキから派生して白赤デッキにするなら、全体火力で相手のクリーチャーだけを一方的に焼くことも可能です。

・3 石のような静寂
 完全な親和対策です。とはいえ、引けなかった場合や破壊された場合の事を考慮して霊気の薬瓶はサイドアウトしません。なお、現在のメタ状況であれば戦争の報い、禍汰奇まで投入を検討しても良いかもしれません。

・3 安らかなる眠り
 瞬唱入り双子、Living End、タシグルなどの探査カードに対する回答です。投入するデッキに緑絡みが多いため張り置きしても衰微で割られることが多いですが、そこは諦めて2枚目を張りましょう。

・2 虚空の杯
 X=0で置くことでLiving Endを封殺できます。X=1で置くと双子のライブラリ操作、感染クリーチャーとほとんどの強化カード、バーンの火力、Zooのクリーチャー群と火力を無力化できます。
 X=1で置く場合、流刑への道と霊気の薬瓶、審問官の使い魔が打ち消されてしまうのでタイミングには注意が必要です。対戦相手によっては四肢切断をあえてメインに残したり、サリア設置から母聖樹経由で流刑への道を唱えるなど工夫が必要になります。
 なお、X=2で設置できればマーフォークに劇的に効きますが、4マナ捻出できるタイミングで間に合っているかどうか、打ち消されずに着地するかどうかは実戦で試してみる必要があります。


 サイドのインアウトについては次のエントリーで。
 前編では現在のモダン環境についてさらっと確認をしましたが、そもそもモダン環境の白単とはどういった特徴があるのでしょうか。まずは基本的なところから押さえておきたいと思います。なお、この特徴についてはセットローテーションしないレガシーやヴィンテージにおいても大きく変化しません。

1.優良な小型クリーチャー
 昔から白はウィニーの色と言われている通り、マナレシオに対して高性能な小型クリーチャーを多数輩出しています。現在でこそクリーチャー全体の底上げがあったため影を潜めがちですが、時折スタンダード環境においても白いビートダウンデッキが上位に食い込むことがあります。

2.トークン生成能力
 上記と同様、1枚のカードから複数のクリーチャーを発生させることを得意としています。モダン環境では未練ある魂を活用した白黒トークンというアーキタイプも生み出しています。

3.クリーチャーの全体強化
 ウィニーを支える全体強化エンチャントは枚挙にいとまがありません。古くは十字軍から最新のプレインズウォーカー・ギデオンまで、この手のカードは今でも白の専売特許です。

4.パーマネントへの対応力
 基本的に白で触れないパーマネントはありません。最近ではアーティファクトと土地へのアクセスがしにくくなっていますが、それでもクリーチャーやエンチャント、プレインズウォーカーへの対処能力は各色でも最高クラスです。

5.大量破壊、全体除去
 こちらも上記同様ですが、古く大量破壊は白の専売特許でした。土地を壊すハルマゲドン、クリーチャーは神の怒り、エンチャントとアーティファクトは静寂、複数のパーマネントタイプを一度に壊す天秤など、環境を席巻したカードは数多くあります。最近のパーマネントタイプであるプレインズウォーカーも大変動であればアクセスが可能です。

6.戦場を支配するカード
 主にクリーチャーやエンチャントによって、盤面に制限を加えたりロックをすることも白のお家芸でした。宿命+停滞コンボや時の砂+平衡コンボなど、ゲームを決めるコンボデッキには白が多く使われていました。
 現在ではウリンの翼馬や堂々たる撤廃者のようなスペルを唱えることに抵抗する役割が与えられたり、封じ込める僧侶や安らかなる眠りのようなアンフェアなデッキに抵抗する役割が与えられています。

 これだけ書くと白が物凄く強い色に見えてしまうかもしれませんが、他の色には他の色の長所が数多くあります。それらについては各色の専門家にお任せしましょう。


 前編でも示した通り、モダン環境において白単デッキはTier3にも満たない『ローグ』デッキです。ローグデッキの利点は、1本目のゲームで相手がデッキ内容を類推しにくくミスを誘いやすいこと、他のデッキと方向性が被らない限り対策カードがサイドボードに積まれにくいことが挙げられます。

 逆にローグデッキはTier1、できればTier2のデッキに対して優位となるメインデッキでなければなりません。環境に多く存在するデッキとよく練習しておき、対応方法やサイドボードを考えておくことで、より有利な戦いをすることができます。

 高速コンボ、瞬殺デッキが上位にいるモダン環境においては、これらのデッキへの対策をメインデッキに入れる必要があるでしょう。その考察からでき上がるデッキは、純粋にクリーチャーを出して強化するものではなく『戦場を支配』しながら『クリーチャーを展開』するイメージとなります。


 前置きが長くなってしまったので、デッキは次のエントリーにて。
 シーズンから外れているということで全く盛り上がらないモダンですが、大会が全くないというわけでもないので徒然なるままに書き留めておきます。主に本人の備忘録です。

1)モダンとは
 新枠以降のカード(特殊セットを除く)が全て使える環境ですが、当然ながらいくつかの禁止カードがあります。
 1.3ターン以内に安定して決まるコンボデッキ(と中核カード)
 2.ゲームを著しく遅延させてしまうカード
 3.色選択においてほぼすべてのデッキに入ってしまうカード
 4.多くのデッキを環境から駆逐してしまうカード

1は、猛火の群れや超起源、それをサポートするマナ加速ですね。
2は、第二の日の出(サニーサイドエッグ)や師範の占い独楽です。
3は、石鍛冶の神秘家、精神を刻むものジェイス、などが、
4は、梅澤の十手や精神的つまづきが挙げられます。

 これらの禁止カードがあってモダンは現在の多様性を保っています。


2)現在のモダン環境とは
 モダンシーズンは今年の春先に終了しましたが、直近のモダンデッキの分布を見てみましょう。

欠片の双子コンボ/Splinter Twin Combo(22)
親和/Affinity(19)
感染/Infect(13)
死せる生/Living End(10)
バーン/Burn(10)
ズー/Zoo(10)
マーフォーク/Merfolk(10)
精力の護符ランプ/Vigor Ramp(9)
白黒緑ジャンク/WBG Junk(8)
緑単/Mono Green(6)
ジャンド/Jund(6)

 これはHAPPYMTGに登録されている直近1か月のモダン上位者デッキの分布です。

 一目見て驚くことは『トロン』が無いこと。
 安定した妨害手段とコンボ要素を併せ持つ双子、突破力がある親和の2大Tier1に対し、瞬殺が狙える感染やLiving End、相手の事故に畳みかけられるバーンやZoo、マーフォークがTier2として迫っているといえるでしょうか。

 各デッキに関する説明や考察は得意な方にお任せします(笑)。


 さて、このような環境においてローグともいえる白単はどのような構成をすべきでしょうか。回答となるサンプルデッキと仕組みについては、この後のエントリーに続きます。


とりあえず、今日はこんなところで。

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