前回のエントリーにてレガシーの白単(デスタク)について解説しました。
 今回は禁断のフォーマットであるヴィンテージについてです。

・ヴィンテージ環境とは
 アンティと特殊なカードを除く全てのカードが使用できるフォーマットです。とはいえ、パワー9などの他のカードを全否定してしまう強力カードには1枚制限が加えられています。その特性から、作られるデッキには1枚刺しのカードが多くなり、デッキリストにしたとき非常に長いものになるというのも特徴です。

 また、他のフォーマット以上に先手後手を決めるサイコロの重要度が高いフォーマットと言えます。何故なら先手1ターン目に勝ちが確定するような手札が入ることも多く、先手が高速マナからスペル拘束カードを連打するという展開がよく見受けられるからです。

 そのため、先手1ターン目の動きを後手マナなしから阻害できるカード(いわゆるFoW、誤った指図)の有無が生死を分ける事が多いとも言えます。デッキを構成するカラーはLotusやMox、デュアルランドの関係上あまり関係がなく、とにかく強力なカードと青いカードを詰め込んだデッキというのが目立つというのも特徴でしょう。


・ヴィンテージにおける上位デッキについて
 既にヴィンテージにおいてはカードプールが広過ぎますし、直近のカードで過去の強烈なカードを上塗りするものも出にくいため、上位陣のデッキは大きく変化しません。
 Happymtgにおける登録デッキ全ての傾向と、最新のSCG Vintageの結果を見ても大きく分布が変化していることは見えないでしょう。

 逆に、これらのデッキに対して優位に立てるメインデッキを構築することが可能であれば、これはローグデッキとして成功する可能性が高くなってくることになります。


<Happymtgにおける上位成績デッキ>
茶単/MUD(144)
ジェイスコントロール/Jace Control(79)
秘密を掘り下げる者/Delver Go(69)
ザ・デック/The Deck(48)
発掘/Dredge(48)
オース/Oath(36)
墓荒らし/Grabrauber(33)
フィッシュ/Fish(20)
テゼレッター/Tezzereter(12)
ガッシュストーム/Gush Storm(12)

<最新のSCG Vintage トップ8>
茶単 2
ジェスカイコントロール
秘密を掘り下げる者
発掘
オース
メンター
グリクシスシーフ


・虚空の杯/Digの制限
 直近の禁止改定において強烈なロック機能を持つ虚空の杯が制限となり4枚搭載が前提となっていたMUDの弱体化が明らかになりました。同様にDigも制限に加えられたのですが、こちらは元々2枚程度しかデッキに投入されていなかったため大きな影響は出ていません。

 そのためか、直前まで隆盛を誇っていたMUDですが、直近のSCGにおけるTop8デッキからは数を減らし、青系(FoW)で武装を固めたクリーチャーデッキが結果を残すようになりつつあります。この流れは今後加速していくと考えられるでしょう。

 三なる宝球に加えて虚空の杯の制限によって、ヴィンテージの先手ゲーが若干ではありますが緩和されたと考えられます。とはいえ、高速マナから繰り出す先手1ターン目の脅威には変わりがなく、サイコロの出目がマッチ全体を左右する状況も大きく変わりません。


・ヴィンテージを支配するカード
 ヴィンテージ環境を支配するのはほんの数枚のカード(?)達です。

0.サイコロ運、初手ハンドキープ運
1.高速アーティファクトマナ、ストームカウント=Lotus、Moxen
2.スペル詠唱阻害=虚空の杯、三なる宝球
3.過剰ドロー=アンリコ、クルーズ、Dig、その他軽量ドロー群
4.クリーチャーデッキ否定=ドルイドの誓い
5.除去困難なトークン生成=ヤンパイ、メンター
6.発掘=Bazaar of Baghdad

 上記に対応できるようなデッキを組むことを目標としてメインデッキを構築してみましょう。なお、ローグデッキの観点から、いわゆるパワー9や超高額カードをデッキに搭載しないように構築しています。

 デッキリストとカード説明は次回のエントリーにて。

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